下地理則の研究室

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    講義サンプル(第3回抜粋)
    34:27

    講義サンプル(第3回抜粋)

    GW演習の雰囲気を知ってもらうためのサンプル動画です。第3回演習の一部を抜粋して公開しています。
    オンセットをとって母音のように働く子音/ž/
    00:02

    オンセットをとって母音のように働く子音/ž/

    伊良部島方言の/ž/ [z̞]は,[z]の狭めの弱い接近音のような音ですが,これはオンセット(ただし/p, b, m/の両唇音のみ)をとって母音のように機能することがあります。この点で/r/と同じような振る舞いをします。
    オンセットをとって母音のように働く子音/r/
    00:02

    オンセットをとって母音のように働く子音/r/

    伊良部島方言の/r/と/ž/は,オンセットを伴ってまるで母音のように音節を形成できます。ただし,オンセットはp, b, m(すなわち両唇)に限られます。この例では,/r/の長音が/p/をオンセットとしてCVVのような音節を作っています。
    語頭重子音(onset geminate)がある
    00:02

    語頭重子音(onset geminate)がある

    日本語の/ippai/のppのような同一子音の連続は重子音と呼ばれます。日本語の場合もそうですが,通言語的に見て重子音は語中によく生じ,語頭に生じることは非常に稀です。ところが,伊良部島方言をはじめとする宮古語では語頭の重子音がかなりよく見られます。この例の/ffa/ [fːa]「(誰かの)子」にとどまらず,/mma/ [mːa]「母」,/nnucɨ/ [nːutsɨ],/vva/ [ʋːa]「おまえ」,/žža/ [z̞ːa]「父」,/rra/ [ɭːa]「胎盤」,/ssam/ [sːam]「しらみ」など,共鳴音/m, n, v, ž, r/と無声阻害音/f, s/が語頭重子音を形成できます。
    ラ行子音の発音に[ɭ]が見られる
    00:03

    ラ行子音の発音に[ɭ]が見られる

    日琉諸語では一般に,ラ行子音は音素的にはR系列(はじき音)の1系列であり,英語などのようにR系列とL系列が対立しません。この動画の長浜方言では,音素的にはR系列でまとめられる種々の音声の中に,[ɭ](そり舌のL)が見られる点で,日琉諸語でも極めて珍しい方言です(他に伊良部佐和田方言,国仲方言,そして多良間島方言も)。音節の中で1モーラを持つ環境に立つ場合は[ɭ]に,それ以外では[ɾ]になると解釈します。この例(/fsur/「薬」)では語末のCの位置に立つので[ɭ]です。
    日本語のh音はpで
    00:03

    日本語のh音はpで

    かつての日本語と琉球語の共通の祖先では,現在の日本語のhの発音がpで発音されていました。伊良部島方言を含む南琉球のほとんどの方言では,これが保持されています。よって,「星」はpusɨです。
    伊良部島方言による昔話
    01:44

    伊良部島方言による昔話

    伊良部島の隣島である下地島に伝わる人魚伝説です。非常に特徴的な「通り池」がどのようにしてできたか,を説明するストーリーで,1771年の明和の大津波がヒントとなったであろうと考えられます。伊良部長浜方言による語りです。